老眼とは? 

こんにちは。四日市市の大川眼科 院長 大川親宏です。

 

人は誰でも年をとり、老眼というものから逃れることはできません。
ところで老眼とはそもそもどういう状態なのでしょうか?

 

眼の中には水晶体と呼ばれる部分があります。
水晶体は厚みを変えることで、遠くや近くにピントを合わせています。
水晶体の厚みを変えるために、毛様体筋という筋肉が働いています。

 

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ところが、年をとると水晶体はだんだん硬くなり、筋肉は衰えます。
そんな訳でピントを合わせる力が落ちてしまいます。
毛様体筋が働いていない状態では(比較的)遠くにピントが合っています。
「比較的」というのは、「毛様体筋が働いた状態と比べて」ということです。
(近視の人とそうでない人では元々ピントが合う距離は異なります)
毛様体筋が働いている状態では(比較的)近くにピントが合っています。
老眼になると、このピントを合わせられる距離の幅が狭くなってきます。
老眼とは「ピントを合わせられる幅が狭くなること」です。
「近くがみにくいこと=老眼」ではありません。

 

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私は近眼で中学生頃からずっと眼鏡をかけています。
眼鏡を外すと大体30cmぐらいの距離にピントが合います。
毛様体筋が働いていない状態で見えるので、老眼の影響は受けません。
近くが見やすい私は老眼ではないのでしょうか?

 

眼鏡をかけると遠くが見えるようになります。
この状態で近くを見るためには毛様体筋が働かないと見えません。
ですから眼鏡をかけたままでは近くは見にくいです。
これは老眼の症状です。
「近眼の人は老眼にならない」という人がいますが、そうではありません。
老眼になるけど元々近くが見えるので自覚しづらいだけです。