色覚検査について

こんにちは。四日市市の大川眼科 院長 大川親宏です。

 

2/21(土)は午後から大阪で勉強会に参加しました。
そのため、診療終了を30分早めさせていただきました。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。

 

近畿弱視斜視アフタヌーンセミナーには3年連続での参加となりました。
斜視や弱視の勉強会は少ないので、土曜午後に開催されるこの会は非常に貴重です。
今回のテーマは斜視というよりも、小児の眼の病気から来る視機能のお話がメインでした。
麻痺性斜視に対する手術、先天白内障、先天色覚異常、LASIKの問題点、
小児の緑内障についてそれぞれ5人の先生の講演を聴いて勉強しました。
先天白内障や小児の緑内障なんかは小さな開業医ではほとんど診る機会はないのですが、
色覚異常はたまに診る機会があります。

 

2003年度から学校での色覚検査は廃止されました。文部科学省の決定です。
色覚異常への差別を助長するからといった理由だと言われています。
その結果、自分が色覚異常であることを知らずに成長し、
就職時や就職後に困る人が増えています。
色覚異常があっても日常生活ですごく困ることはそんなにないと思うのですが、
就けない職業、向かない職業はあります。

 

小さい頃からパイロットになりたい、警察官になりたい、と頑張ってきて、
いざ受験となった時に色覚異常である事実が発覚して断念せざるを得ない人。
電気配線の仕事に就いて、配線の色が区別できずに困っている人。
・・・そんな人を何人か診ました。

 

これが学校で色覚検査を廃止した結末です。
差別はむろん良くないことでしょうが、
差別しないように教育するのが
学校のやるべきことじゃないんですかね?

 

先天色覚異常は男性の5%、女性の0.2%にみられる珍しくない病気です。
残念ながら現時点で先天色覚異常を治す方法はありませんが
早い時点で検査をして見つけておけば、
職業選択などを考慮する時間も十分にあるでしょう。

 

もしもお子さんの色使いが変わっていたり、
一部の色が見にくかったりしたら
眼科で検査を受けられてはいかがでしょうか?